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《ご報告》中村光廣教授の最終講義が行われました。

中村光廣教授 最終講義より
2023年3月6日(月)13:30~14:15

 

 中村光廣教授の最終講義は、コロナの影響を考慮してzoom によるオンライン(パーティもなし)で開催することが早々に決まっていました。zoom ということもあり、画面に映し出された中村教授は、いつもどおりの普段着です。ただこれは、本質的なこと以外の体裁を気にしない素粒子物理学者のあるべき姿であり、予想通りと言えるでしょう。オンライン開催ということで参加者 100名弱と、対面開催であれば参加できなかった他大学や富士フィルム関係の参加者もおられ会場(zoom)は賑わっていました。
 さて、肝心の講義の内容は、1989年の名古屋大学理学研究科物理F研に着任以降の43年間の懐かしい過去の素粒子実験、OPERA実験等のニュートリノ実験、それぞれの実験推進時での検出器開発の話へと続き、聞いていてなるほどそんなこともやられたのかと楽しい講義でした。講義の後半は最近の原子核乳剤製造ファシリティの開発、ミューオンラジオグラフィーや暗黒物質探索、そしてやり残した「心に残っている話」へと話題が移って行きました。宇宙から飛来する「ゲテモノ」が未解決課題として残っているとのことでした。高エネルギーミュー粒子点源問題やモノポールなどの未解決問題を「若手」に課題提供をしていただき大いに刺激を受け、「ゲテモノ」好きな後輩たちに課題は引き継がれたと感じられました。

 講義後の質疑応答では「お前、そんなこと聞くか??」と思わず中村教授も言ってしまう質問をされたISEEの某教授、未解決問題に関する質問やコメント、原子核乾板の専門家の方からもねぎらいと、原子核乳剤物性理解も未解決問題とのコメント、実験で検出器開発をサポートしていただいた技官の方から、「できないと思えることでもチャレンジすることを勉強させてもらった」とのコメントとねぎらいの言葉、同僚の先生方々、後輩の研究者からのねぎらいと多くの質問、コメント攻めでした。
 講義の内容と質問・コメントをされる人脈の広さから、中村教授の行った研究の巾の広さを改めて実感させて頂きました。中村光廣教授、ありがとうございました。

報告者/特任准教授 佐藤 修