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「ミュー粒子で原子炉内透視の実験」を公開しました。

2016/8/31
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2016年8月31日

「ミュー粒子で原子炉内透視の実験」を公開

〈中部電力 浜岡原発2号機(廃炉)にて〉

中村光廣教授、森島邦博特任助教ら(未来材料・システム研究所)と中部電力は、廃止措置中の浜岡原発2号機(御前崎市佐倉)で、宇宙線が大気にぶつかって生じる素粒子「ミューオン(ミュー粒子)」を検出する装置(ミューオン検出器)を使い、原子炉の格納容器内を調べる実証実験を報道陣に公開しました(2016年8月31日)。実験は、中部電力と共同で進めています。

この研究は、重大事故発生時の状況把握に役立つほか、東京電力福島第1原発の格納容器底部の様子を調べる手段として期待されています。

宇宙線ミューオンは、上空から常に降り注いでいるもので、岩盤1kmでも透過しますが、ウランなど密度が高い物質ほど透過性が落ちるという性質を持っています。実験は、中村教授らが独自に開発した高感度の写真フィルム「原子核乾板検出器」を観測対象の周囲に設置し、観測対象を通過して検出器に到達するミューオンの方向と数を測定。それにより得られるミューオンの検出数の濃淡を画像化することで、X線写真のように、原子炉内の様子がわかるというものです。

ミューオン検出器の原理
【ミューオン検出器の原理】

 

同研究グループは、昨年5月から浜岡原発2号機で、断続的に数週間程度の実験を行ってきました。今回の実証実験では、原子炉建屋地下2階(地下十数メートル)の格納容器下部付近に、厚さ0.3ミリの原子核乾板(縦25cm×横30cm)12枚を設置し、半年かけて観測します。観測期間を長くすることにより、鮮明な画像を得られることが見込まれています。実験は、半年かけて行います。

 

浜岡2号機における実験体系

 

原子核乾板の特徴は、高い空間分解能(位置の精度は1ミクロン、角度の精度は1mrad程度)を持つことに加え、電源が不要である、小型化・大面積化が容易、長期観測が可能、防水性が高いことなどが挙げられます。これまでに火山やピラミッドの調査にも使われています。

(未来材料・システム研究所)